中高年になると、歯のトラブルが増え、全身の健康にも影響すると言われる。「日本歯周病学会」の専門医で、2月に訪問介護事業を始めた「いがらし歯科イーストクリニック」(宇都宮市)の五十嵐尚美院長に口腔(こうくう” diff=”0)ケアの大切さを聞いた。

 「免疫力は50、60、70代と年を重ねるごとに下がり、体に色々なトラブルが起きる。口の場合、細菌が増えて歯周病になり、歯が抜けてくる」

 五十嵐院長は、中高年が歯の健康に注意すべき理由をそう説明する。「歯が揺れたり、痛くなったりしてからだと遅い。歯周病は痛みがなく進行する病なので、症状が出た時には歯が保存できない状態。抜いてしまいましょう、となる」

 口の中の細菌が問題になるのは、歯だけではない。「細菌は体の血管や内臓の中に入っていく。心臓の血管や弁のトラブルを抱えている人は、口を(清潔にせず)放置している場合が多い。病態によっては、口の中の細菌が全身疾患に非常に関係してくると言える」

 糖尿病などとも関連があるほ…

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